旅の記録1 〜 巻頭特集:渡良瀬川の流れのように 〜(10月8日 AM)
※参加者
- 松浦亜弥さん(2004年10月、同じ事務所の先輩である森高の当曲をカバー。以下:「松浦」)
narit さて、今回は渡良瀬橋と言ったらこの3人!ということで、ここ足利市にお集まりいただきました。お三方、よろしくおねがいします。3人 よろしくおねがいします。
渡良瀬橋で見る夕日を あなたはとても好きだったわ
きれいなとこで育ったね ここに住みたいと言った
narit あいにく、今日は曇天模様なのが、すこぶる残念ですね。森高 はい。予定では、日の出直前頃に足利入りして、「渡良瀬橋から見る朝陽」をみんなで堪能するはずだったんですけど。
後藤 でもぉ〜、確かに朝陽を見られないってのは残念なんですけど、この景色はほんん・・っとに綺麗で、ケータイで写真取りまくりですよ(笑)。
松浦 逆に、せつない雰囲気の渡良瀬橋って感じがして、私はこういうのも好きですよ。
森高 あれっ!ちょっと陽が差して来ちゃいましたね(笑)。あなたたちが晴れ女なのよ、きっと。松浦 いやいや、森高さんが再びこの渡良瀬橋に来てくれたから、神様がご褒美をくれたんですよ。
narit そうですね〜。ほら!、ご覧になりましたか?橋の下には、ここを訪れたファンの人たちからのメッセージが記されているんですよ。森高 あっ、ほんとだ。とてもうれしいですね。「結婚しました!」とか。ぜひとも、幸せになってもらいたいですね。
松浦 「1999年」とかも。かなり文字が褪せてきちゃっていて読みづらいですけど、たっくさんありますね。
後藤 ねぇ〜、まっつーへのメッセージも書いてあるよ。松浦 マジで!?おっと・・・ホントに?(笑)
narit そうですよ。松浦さんの素晴らしい歌声によって、再び日本中に名曲「渡良瀬橋」が奏でられた。良い曲は、時代がどう変わろうとも名曲であり続けるということが、実証されたんですよ。
松浦 いやいやいや・・・(汗)、なんともありがたいお言葉で・・。
後藤 まっつー、泣くの早すぎ!
松浦 泣いてないもん!!(泣笑)
電車にゆられこの街まで あなたは会いに来てくれたわ
今でも八雲神社へお参りすると あなたのこと祈るわ
願い事一つ叶うなら あの頃に戻りたい
narit 「あの頃に戻りたい」という想いは、ホンネではあるけれど、「もう、あの頃には決して戻れないんだ」という事実を必死に受け入れているというイメージで、私は曲を聴きましたけど。
森高 たったこれだけのフレーズで、そこまで深い解釈をしていただけるとは・・・。
narit やっぱり、どうすることもできないもどかしさ・時の流れっていうんでしょうか。振り返ってみても「あの頃」の思い出は、かけがえのないものであって、羨ましいほど輝いて見えるかもしれない。
それが実は、「今」というこの時を生きる、自分自身へのエールにもなっているんじゃないでしょうか?自分には、こんなに素晴らしい「過去」があって、それがあって「今」の自分が形成されているんだ!って。
後藤 naritさん、話が長いですよ(笑)。松浦 そうですよ。せっかく八雲神社に来たんですから、願い事しましょう!
narit はい。思わず語っちゃいました(汗。では、さっそくお参りしましょうか。賽銭は145円で。
森高 145円?
narit まぁ、自分が戻りたい「あの頃」、その光景の中に登場する人にまつわる数字ですよ。
森高 なるほど。さぞやステキなお方なんでしょうね。
narit (心の中で絶叫)やぐっつぁん、大好き!!
後藤 naritさん、声が大きいですよ!
narit えっ!?・・・
後藤 いま、心の中で叫んでいたことくらい、わかりますよ。
narit おそれいりました。。(汗。ちなみに145円にはもうひとつ理由があるんですよ。
松浦 「始終、ご縁がありますように!」(「しじゅう」=40、「ごえん」=5円)の「45円」をアレンジしたんですよね?
narit はい。45円まで来たら、100円追加してしまえ!みたいな。
森高 さぁさぁ、境内で立ち話もこれくらいにして、みんなでお参りしましょうよ。
床屋の角にポツンとある 公衆電話覚えてますか
きのう思わずかけたくて なんども受話器とったの
narit 意外と、車通りが多いところの公衆電話ですね。後藤 いまじゃぁ、ケータイで済んじゃいますからねぇ。
森高 こういうのも、美しい文化のひとつだと思うんですけど・・。
narit いまも、八雲神社から歩いてここまで来ましたけど、この電話まで歩いている間にあれやこれや頭の中を巡るってのも、大切なひとときじゃないですか?受話器を手に取るまでの間に、心の準備をしたり、逆に考えすぎて何を話したら良いのかわからなくなっちゃったり。
松浦 ずいぶんと熱く語ってますけど、naritさんも公衆電話への思い入れは強いみたいですね(ニヤニヤ)。
narit まぁ、そうですね。あややが何を想像しているのかはほっといて(笑)、ささいなことでも電話しているところを家族に聞かれるのは、ちょっとイヤでしたね。別にやましいことをしているわけでもないし、いつもいつも愛の告白していたワケでもないし(爆。なんなんでしょうね。反抗期に表れる感情のひとつなのかもしれませんね。
この間 渡良瀬川の河原に降りて ずっと流れ見てたわ
北風がとても冷たくて 風邪を引いちゃいました
narit 一度、ここで何かスポーツやりたいですね。バドミントンはシャトルが風にながされて無理っぽいですけどね(笑)。
森高 naritさんは、金八先生のロケ地として有名な荒川の土手も気に入っているとお聞きしたんですけど、そこと比べての感想とかありますか?
narit そうですね〜。荒川の場合は、川の向こうに首都高が走っていて、ゆったりと流れる荒川とともに、車がバンバン流れている光景が目に入るんですよ。でも、その車の走行音は何も聞こえないので、あたかも首都高の上を車が「流れている」っていう感覚になりましたね。
自分でもよくわからないんですけど、いつのときも変わらず流れ続ける荒川のように、朝も夜もどこかで誰かが一生懸命頑張って仕事してたり、勉強してたり、悩んだり、楽しんだり・・・。そんな「日常」を感じました。
森高 じゃぁ、ここ渡良瀬川はどんな感じですか?narit うぅ〜〜、、「日常」という言葉がやっぱり出てきますね。自分にとって、川の流れを見るとそういうことを想起する傾向があるんでしょう、きっと。でも、荒川での「日常」とはちがって、こっちは「ふとした日常」って感じで。
凹んだときに来たら、ふと何気ない幸せな一面に出会えるとか、気分が良いときに来たら、何か新たな素晴らしい発見がありそうな・・・そんな「当たり前のふとした日常」に気付かせてくれる・・・荒川と何がちがうんでしょうねorz...
森高 まぁまぁ、そこで凹んだら渡良瀬川の河原に降りた意味が無いじゃないですか(笑)。
後藤 naritさんは、ここで風邪を引きたいんですよ。それほど「渡良瀬橋」という曲が大好きってこと。
narit ごっちん、風邪だけは勘弁して・・・(汗。
誰のせいでもない あなたがこの街で
暮らせないことわかってたの
なんども悩んだわ だけど私ここを
離れて暮らすこと出来ない
森高 ここの部分は、レコーディングの前に話をしたことがあるのよね?亜弥ちゃん?
松浦 そうですね。とても勉強になりました。
narit この部分については、ジーンと来ますね。もし自分の愛する人が、こんなことを考えていてくれたなんてわかったら・・・まさに、「誰のせいでもない」んだけど、誰かのせいにしてしまいたいくらい、運命の導きという皮肉。
いや、運命だから素直にそれを受け入れて、ポジティブに生きるのが正しいのかもしれない。でもやっぱり・・・。
時が経って昔を振り返ったときに、「もし、あの時あぁやっていたなら、あぁなってたかも……」っていう想像をすることがよくある。
でも、最終的にいつも達するところは、
「あぁなってたかもしれないけど、でもあの時に違う行動をとっていたら、今までの楽しいこと・悲しいことの経験はできなかったわけだし、出会う人も全然違っていた。生きていく周辺環境が違うから『今の自分』というものも存在していない。
だったら、『今の自分』をもっと好きにならなきゃ! 少なくとも、『今の自分』の生き様に悔いが残るような人生は送りたくない!」。
運命は変えることはできないけど、運命に導かれた道をどう歩くかは自分次第。だったら、その道をとことん充実させなきゃ生きていく意味がない。だって、他の道に飛び移ることは絶対にできないわけだから。
どうしても他の道が輝いて見えて仕方がないときは、自らそっちに向かって道を開拓すべし。飛び移るんじゃなくて、開拓。それが例え「寄り道」で終わってしまって道が通じなかったとしても、その経験自体が大切なことだと理解すれば、決して無駄じゃないんだと。
松浦 ・・・・・
後藤 ・・・・・
森高 ・・・・・な.な.長いです(汗。
narit 長いですね。。。_| ̄|○ 自分でもびっくりしてますよ(素。そりゃぁねぇ〜、10時間以上も車の運転してれば、こんな重いことも考えたくなりますよ!
あなたが好きだと言ったこの街並みが
今日も暮れてゆきます
広い空と遠くの山々 二人で歩いた街